はじめに
電気自動車関連のニュースを最近は毎日のように耳にします。
例えば、
- 2030年までにEVは全世界で1億4,500万台に増加する見込み。 (https://ev2.nissan.co.jp/BLOG/654/)
- 2021年1月、施政方針演説において「2035年までに新車販売で電動車100%を実現する」旨が発表(https://www.toshibatec.co.jp/products/office/loopsspecial/blog/20210820-68.html)
さらに、この記事によれば、日本以外の国も次のような方針を打ち出しているとのこと
英国 :ガソリン車とディーゼル車の新車販売を2030年までに禁止
フランス:2040年まで化石燃料車の販売を禁止
中国 :2035年をめどに新車販売を環境対応車(EVやハイブリッド車など)のみとする
米国 :カリフォルニア州 2035年までに州内での新車販売の全てを排気ガスを出さない「ゼロエミッション車」にする
カナダ :2035年までにガソリン車やディーゼル車といった内燃エンジンを搭載する新車の販売を禁止
これに対する反対意見についても同様に耳にしつつありますが、世の中全体としては、電気自動車を普及していく流れになるようですので、弊社でも参加しているプロジェクトを通じて、色々と研究を進めています。
また、(株)星野リゾートが提唱しているマイクロツーリズムというコンセプトがあるそうです。具体的には、「自宅からおよそ1時間圏内の地元や近隣への短距離観光のこと」とのこと。さらに、同社のホームページによると、次のようなメッセージもありました。
知ってそうで知らない地元の魅力。
出典:星野リゾートのマイクロツーリズム ご近所旅行のススメ
「近くにあるのに、まだ体験した事のない、心躍る体験や知られざる特産・名産・伝統工芸。見たことのない景色、触れたことのない文化、食べたことのない料理…。自宅から1〜2時間で行ける範囲の旅行「マイクロツーリズム」で地元を再発見しませんか。」
日本国内で、住まいから1〜2時間で行ける距離で魅力的な体験を発見するということには、大いに賛同するところでありますし、弊社が参画しているプロジェクトで実施している、ゼロ旅(旅行中にEVやFCVが排出するCO2を実質ゼロにする)のコンセプトとも沿うものです。
このマイクロツーリズムにEVを使うことで、快適に移動できるものか、課題があるものかを検証してみることにしました。
EV乗車の不安
ただ、EVというと次のような不安があります。特にペーパードライバー。
・途中で充電が無くなりそう。しかも突然無くなりそうで不安だ。
・充電の方法がよく分からない。考えるのも面倒だ。
・充電設備の場所がどこにあるか分からない。走りながら辿り着けるか分からない。
・ガソリン車と操作方法が違って迷いそう。不安だ。
・充電時間が掛かりそう。何度も充電する羽目は時間が掛かりそう。待つのは嫌だ。
EVを試しに乗らない理由は色々出てきますが、実際にペーパードライバーが運転してみて、実際の様子をレポートします。
利用車両 = テスラ モデル3(ロングレンジ)
弊社の社有車であるテスラのモデル3(ロングレンジ)を使用。
フル充電時の走行距離(カタログ値)は580km。
ただし、今回は、充電が少なく159km残からのスタートです。
行き先 = 富士山の麓(忍野八海)まで
駐車場の場所(品川区)から忍野八海まで行ってみることにしました。やっぱり富士山。
でも、富士山まではちょっと遠いので、手前のこの景色を目指して。
Google Mapによれば、1時間30〜2時間ほど。ここにチャレンジです。
テスラのアプリ
クルマのドアの鍵開けはアプリで実施する。左の鍵マークがそれ。
ナビ
テスラ標準のナビで、充電場所の案内は見ることができますが、ちょっと見づらい。
ナビ自体は、大雑把なところでの案内は問題ないですが、
- 都心の高速を走行していると下道を走っていると勘違いして案内する
- 看板上は左に行くはずなのに、右行けと指示する
など、しばしば意味不明な案内をするので、注意が必要だと感じました。
充電
サービスエリアやパーキングエリアではどこも大抵充電器の設置があるとのことですので、高速で充電することにしました。
高速の事故渋滞にハマりつつも、談合坂サービスエリアで充電。下りは1基しかない模様。
充電コントローラー(写真の右のボックス)の表示が、太陽で殆ど見えない。これはなかなかつらい。同僚曰く、他も同様の状況のようとのこと。結構途方にくれる人いるんじゃないかな? 充電インフラの改善を期待したい。
1回30分なので、他のクルマが既に使っていると待たないといけない、という状況にはなるようです。帰りは、実際に充電設備に先約がいて待ち時間が発生しました。
充電の費用
談合坂サービスエリアについた時の残量が95kmほど
30分充電した後の走行距離: 189km
充電量: 17.6kwh,
費用: 496円
つまり約100kmで496円
ガソリン代金との比較
燃費10km / ㍑ のガソリン車の場合、ガソリン代金 150円 /㍑ x 100km/10km = 1,500円
燃費20km/ ㍑ のガソリン車の場合、ガソリン代金 150円 /㍑ x 100km/20km = 750円
※ ガソリン代金(2021年9月11日現在の平均的なガソリン価格)参考: https://gogo.gs/13
100km分を充電するのに約500円なので、おおよそ、ガソリン代金の1/3ほどのようです。
テスラのサイトによると、テスラ社のスーパーチャージャーを利用すると、ガソリン代より電気代の方が1/3ほどとのことですので、だいたいそのくらいが目安と言って良さそうです。
ブレーキ
回生ブレーキがよく効くので、東京から忍野八海までの往復で、ブレーキを踏んだのは多分2回くらい。これだと、ブレーキパットの消耗は少ないので、交換もそれほど発生しないさそう。確かにメンテナンス費用は安くなりそう。
ただ、回生ブレーキは結構効くので、アクセルの離し方の調整はちょっと慣れが必要。
乗り心地
車種によって様々だと思いつつ、エンジン音が一切しないので(当たり前ですが)静かです。車酔いしやすい人にも割と大丈夫なんじゃないかと思いました。
電気自動車ならではの加速の良さは、高速道路で少し体験できました。オートパイロットも利用。これは慣れると便利かも、と思いつつ、完全に信じられていないので、やっぱりちょっと不安。ハンドルはナビに言われなくても握っています。
行きは3時間
始めナビに騙され、いきなり迷走する
→ 高速に乗るも渋滞にハマる
→ 談合坂サービスエリアで30分充電
→ 忍野八海に到着
ということで、ほぼ3時間かかりました。充電時間がなければ2時間半。
富士山は雲に隠れて頭だけちょっと見えました。なかなかプロの写真のような状況にはいかない。
池がきれいですが、写真の手元に自分の手が映った模様でイマイチ。。
帰りは2時間半
帰りは、談合坂サービスエリアで充電試みるも、充電設備が埋まっており15分ほど待つ。
→ ただし、前の人の充電が終わるも持ち主なかなか現れず、仕方が無いので、充電器を抜き、こちらに接続して充電を開始
→ 30分弱充電
→ 品川着
ということで、2時間半。充電時間と待ち時間がなければ、1時間45分ほど。
理想はフル充電しておいて、休憩時間に充電器の空きがある時に充電するのが時間の節約としてはよいと感じました。短時間で移動したいと思い、途中給電が必要とされる移動の場合には、充電時間と待ち時間がやっぱりネックになると感じました。
結論
<プラス>
- 初めは不安ですが、2−3回運転するとだいぶ慣れる。運転を思い出します。初めサポートする人がいるとより始めやすい。EV運転指導なんていうサービスがあると、敷居が下がって利用する人が増えるのではないかと感じる。
- 運転は意外に難しくない。バックでの駐車も、狭い機会式の駐車場に入れるのも、クルマがサポートしてくれるので、そんなに苦じゃない。
- マイクロツーリズムをEVで行うことで、日本国内の、自分の住んでいる都市から近場の魅力的な場所を再発見できることや、静かなEVで運転が楽しめるというところは確かにあるかなと感じる。実質再エネ化されたEVで行くことで、ゼロ・カーボンドライブやゼロ旅の実現にも繋がる。(弊社はカーボンクレジットを購入して、全ての車両の走行の実質再エネ化を実現しています。)。
<マイナス>
- 給電設備は確かにまだ少ない。沢山設置されていないので、先に使っている方がいると待ち時間があって、充電時間とのセットで待たされるので非効率。
- テスラのナビは70%くらい信じることがよい。
備考
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